自分には、教育メンターが何人かいる。
一番のメンターは、安藤校長先生だ。

彼は、講師として勤務した最初の学校の校長だった。
講師として勤務したのは9か月だけだった。
しかし、先生との付き合いは、その後も続いた。

休みの日には、家におじゃまして、朝から夕方まで教育について語った。
なぜか、話は尽きなかった。飽きることもなかった。
熱い思いだけが、いつもこみあげてきた。

たくさんのことを教えてくれた。

この世に比べて中らないものがあるとしたら、それは人間だ。人格とはそのようなものだと覚悟して、子どもと接しなさい。

世の中を変える人間を育てるのではない。今、変える必要があるかどうか、判断できる人間を育てるのだ。

教育の目的は、「人間はいかに生きるべきか」の追求に他ならない。

今でも、先生は自分の中にいる。いつも、必要な時に、ヒントをくれる。先生は、30歳以上年上だが、なぜか、友人のように感じる。

先生が亡くなってからも、自分の手元には、一冊の本があった。
「言語学概論」
難しくて、読む気にもならなかった。しかも旧字体で書かれていた。

この度の「未来塾」の中心コンテンツは、結局、「言葉の力」を育てる内容となった。先生が、作ってくださったのだと思う。